攻玉社中学校

困っている人たちを応援したい。精神的成長から見える国際学級の魅力
【注目ポイント】
- 国際ディベート大会で4種目メダル獲得。多様性から生まれる力。
- 日本式の学習に段階的に適応できる国際学級の「クッション」的役割。
- 国際学級の存在が育む帰国生と一般生が逞しく成長する環境。
「国際学級」の仲間が大きな心の支えに
イェール大学で開催された国際ディベート大会『World Scholar's Cup』決勝大会に中3で出場した中村英義さん(高2)。50か国から優秀な学生が集う本大会で、4種目の高度な競技に臨み、全てでメダルを獲得した。東京予選は所属するディベート部員と出場したが、世界大会では主催側がマッチングした福岡の日本人、インドネシア出身者と混成チームを編成。「多様なバックグラウンドを持つメンバーとの協働で、文化を超えたコミュニケーション力が飛躍的に向上しました」と振り返る。論題は未来予測を求める「千年後の教室」から「AI加工した容姿の是非」など倫理的テーマまで多岐にわたり、20分間の即興で論点を構成する高度な思考力が要求された。
小学6年間をベトナムで過ごした中村さん。3年生までは日本人学校に通い、それ以降はインターナショナルスクールで学んだ。帰国後、攻玉社の国際学級を選択したのは、「男子校としての校風と、帰国生の独立した学習環境」がその理由だった。入学前に英検準2級、中2で英検1級を取得したが、「英語は話せても日本式の勉強には当初戸惑いがありました」と語る。そんな彼を支えたのが国際学級の「クッション」機能だった。「充実した補習制度や反復練習で計算力や学習習慣を身につけることができました。日本式の学習環境に段階的に適応できたことで、心理的負担が軽減されました」。また「中2、3年時は日本文化への同調と自分らしさの間で葛藤し、悩んだこともありましたが、同じ課題を共有する国際学級の仲間の存在が何よりの心の支えでした」と語る。
日本では経験し得ないベトナムでの体験も人生観に影響を与えた。「自宅のすぐ近くで路上生活者を見るなど、困難な状況にある人々の現実を目の当たりにし、支援の必要性の想いが芽生えました」と振り返る。この想いは所属する吹奏楽部の活動を通じ、才能があっても活躍の場に恵まれない演奏家の現実への問題意識と重なった。中村さんはすぐに行動に移し、世田谷区のハンズオン支援事業「HOME/WORK BOOSTER」へ演奏家の活躍の場を作るプランを提案。採用が決まり、現在は庭園美術館と連携したイベントを計画中だ。
将来はアメリカの大学のMS&E(経営科学工学科)で起業とテクノロジーの融合を学びたいと話す中村さん。米MIT発の起業プログラム『LaunchX』のサマースクールの奨学金も獲得し、「社会に価値ある活動を実現したい」という想いのもと、夢へ向けて前進し続けている。

全生徒の逞しい成長を促す国際学級の役割
攻玉社の国際学級は1990年の設立以来、帰国生の「安心の居場所」として機能してきた。出願条件は海外在住1年以上、帰国後3年以内で、2つの入試方式(国語・算数受験、英語受験)により、英語力の高低は問わない。各学年約40人1クラスを配置し、英語圏のみならず、多様な国からの帰国生が集まる。英語・数学・国語の3教科は習熟度別少人数制で対応。特に英語は、入試方式によって所属クラスを分け、英語力が高い生徒は、帰国生専用の取り出しカリキュラムで中学3年間をかけてさらに英語力のブラッシュアップを図る。一方の非英語圏からの帰国生で英語に自信のない生徒には基礎から丁寧に学習を積み重ねる。さらに英語力の向上の場として50年以上続く「英語暗誦大会」や、ディベート部がその役割を果たしている。国際学級は、高1になると一般学級と統合され、さらに高2以降は、志望進路に応じた少人数のクラス編成となる。
国際学級の存在は一般生にも好影響をもたらしている。英語は元国際学級生が、数学は一般生がリードするなど、得意分野の違いが学び合い、助け合いを生むほか、競争心も刺激して個々の成長を加速する。こうした学びの環境こそが、「周囲から刺激を受け自分の長所を伸ばす」という建学の精神『他山の石以て玉を攻くべし』を体現している。

学校データ(SCHOOL DATA)
| 所在地 | 〒141-0031 東京都品川区西五反田5-14-2 |
| TEL | 03-3493-0331 |
| 学校公式サイト | https://kogyokusha.ed.jp |
| 海外進学支援 | 有 |
| 帰国生入試 | 有 |
| アクセス | 不動前駅(東急目黒線)徒歩約2分 |
| 国内外大学合格実績(過去3年間) | 東京、京都、東京科学、一橋、北海道、東北、大阪、神戸、東京農工、電気通信、東京海洋、東京外国語、千葉、横浜国立、浜松医科、信州、広島、東京都立、横浜市立、国際教養、防衛医科、防衛、慶應義塾、早稲田、上智、東京理科、東京慈恵会医科、日本医科、昭和医科、順天堂、東京医科、東邦、杏林、北里、獨協医科など |
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