多摩大学目黒中学校

大学の知的資産から始まった国際教育。若者たちの冒険の場は9か国に広がる
【注目ポイント】
- 元キャリア官僚の校長が実践する「進化を続ける学校」。
- 韓国、ベトナム、インド、インドネシアの現実を体験する海外研修プログラム。
- 生徒自ら興味を拡げていくグローバルコミュニケーションクラブ。
豊富な国際経験が導く確固たる教育理念
貿易、地域振興、宇宙産業育成、特許行政、資源エネルギー政策などに携わった元・経済産業省キャリア官僚という異色の経歴を持つ田村嘉浩校長。在職中に留学したアメリカとロシアの大学で、各国から集まるエリートたちに比して、日本の留学生には明確な目的意識や高い遂行力を持つ学生が少ないことに強く危機感を抱いたという。この経験から「目的意識を持ち、目標に向かって研鑽を積める生徒を育てる」という教育目標を掲げ、「進化を続ける学校でいたい」と決意した。

フォーラムから広がる韓国との交流
多摩大学目黒の国際交流が本格化したのは2019年に済州島で行われた「世界平和フォーラム」から。多摩大学との高大連携の一環として参加した生徒たちは各国トップの講演や議論に触れ、さらに韓国の大学生らとの交流を通じて大きな刺激を受けた。当時参加した高校生が「質問!」と挙手をして発言したところ、感銘した韓国メディアから取材を受け、その場に居合わせた学校からぜひにと申し込まれて2023年に始まったのが、韓国・泰安(テアン)女子高校との提携だ。
初めて行ったオンライン交流で泰安女子校の生徒が操る流暢な日本語に驚いた同校の生徒たちは、次の機会には韓国語での自己紹介に挑戦する意欲を見せたという。
「相手の文化を大事にしようという意識の芽生えですね。お互いの民族服を着てオンライン交流に臨むということもありました」先方の寮に滞在しながら学校生活を体験する試みもスタート。生徒たちはより一層知見を深めている、と田村校長は目を細める。
加えて2025年度からはアントレプレナーシップやグローバルマインドを学ぶ韓国研修も始まった。自ら旅程を組む経験と、大邱の起業家を訪ねてお話を伺う経験を同時に満たす独特の体験プログラムに期待がかかる。

ベトナムとインド、さらに多くの国へ
非英語圏を含む計9か国の国際プログラムから、ベトナムとインドを紹介しよう。
ベトナム修学旅行には高2の希望者が参加する。ベトナム戦争の跡や戦争博物館の見学とグエン・ドクさん(米軍の撒いた枯葉剤に影響を受けた結合双生児)の講話から「つい最近まで戦争が行われていた」と感想を持つところから始まり、「今アメリカに対してどう思うか」など自分なりの質問を投げかけ、対話を通じて戦争と平和を考察。一方、日本企業の駐在員との懇談では海外で働く醍醐味に興味を抱き、地元大学生との街歩きで見る景色からは日本とはまた異なる発展の姿を肌で感じ取ることになった。
毎年高校1・2年生10名あまりが参加するインドスタディツアーは、夏休みの研修先として一番多く手の挙がる渡航先だ。2025年度はバンガロールを訪れた。IT企業の集まる裕福な都市にも貧困層が歴然と存在する様子に戸惑いを隠せない生徒たちは、参加している他校の生徒とも意見を交わし、貧困と格差の解決策を考えるなど、自分事として深く考える姿勢が見られたという。「問題意識は大学進学後の研究テーマにも繋がります。実体験から導いた仮説を検証し、解決策を求める探究心こそが大切」と田村校長。
さらに、生徒自らが国際体験を求めて活動しているのが「グローバルコミュニケーションクラブ」だ。「英語部」からの改称は部員たちの発案。「英語だけの時代じゃないでしょうと言い出して」と田村校長が頼もしく感じる彼らは、インドネシア人学校の生徒を文化祭に迎え、ウクライナの高校生とオンラインで繋ぎ、アフガニスタンやフランスからの女子留学生を招いて直接語らうなどの貴重な体験を重ねている。一つの体験が刺激になって次の体験を呼び、様々な国と交流したいという意欲がますます育っているのだ。
「生徒が自らやる気になる動機付けと環境の整備に注力したい」と語る田村校長。多摩大学目黒の国際教育は、やがて実る次世代のリーダーの種を撒き続けている。
学校データ(SCHOOL DATA)
| 所在地 | 〒153-0064 東京都目黒区下目黒4丁目10-24 |
| TEL | 03-3714-2661 |
| 学校公式サイト | https://www.tmh.ac.jp/ |
| 海外進学支援 | 有 |
| 帰国生入試 | 有 |
| アクセス | 目黒駅(JR、東京メトロ南北線、都営三田線)徒歩12分 中目黒駅(東急線、東京メトロ日比谷線)よりスクールバス |
| 国内外大学合格実績(過去3年間) | 東京科学、東北、東京海洋、東京農工、電気通信、東京外国語、東京学芸、東京藝術、筑波、横浜国立、千葉、埼玉、国際教養、東京都立、横浜市立、神奈川県立保健福祉、水産、防衛、慶應義塾、早稲田、上智、東京理科、国際基督教、明治、青山学院、立教、中央、法政、学習院など |
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