日本女子大学附属中学校

落ち葉で焼き芋も作れる“森の中の学校”

廊下の壁はまるでミュージアム。“森の中の学校”で展開される憧れの教育

注目ポイント

  • 本物の植物や生き物に触れながら学びを深められる、豊かな自然環境。
  • 身体や心の成長に合わせた、段階的理科学習。
  • 「書く」トレーニングを徹底して行い、真の思考力や表現力を醸成。

緑豊かな環境で、多くの感動を味わう

日本女子大学附属中学校は、周囲を豊かな自然に囲まれた“森の中の学校”だ。陽の光を受けてキラキラと輝く瑞々しい草木たち、心躍るような軽やかな鳥のさえずり、そして校舎を吹き抜ける爽やかな風……。生徒たちはあふれる自然を存分に感じながら、3年間、のびのびと学び、健やかに成長していく。

「本校の大きな魅力のひとつが、この環境です」。そう語るのは、広報部主任の峯岸憲一教諭。「私たちは、実物を観察し、本物に触れる教育を大切にしています。なぜなら実物をしっかり観察し感じることで、机上の学びだけでは得られない深い洞察力や思考力が身に付くからです。3年間、豊かな自然のなかでたっぷりとフィールドワークを行い、実物でしか知り得ない発見や感動を味わいます」。

美術の授業では“自分の木”を決めて細やかにスケッチする活動を行い、理科の授業では校内にあるスミレの自生地で約5種類のスミレを探し出すワークを実践する。

まさに学校全体が学びの場。教科書を超えた体験が、濃く深く根付く環境がある。

成長に合わせた、段階的な理科の学び

同校の理科の授業は、季節に寄り添うようにして行われている。命が芽吹く春には外で植物や生物を観察し、夏の暑い頃には屋内で地学を学ぶ。実りの秋になるとまた校舎を飛び出し、春に観察した植物の変化を見たり、木の実を収集するなどの活動を行う。

「トウカエデの種子が飛ぶ様子を見て生徒たちが『わぁっ!』と声を上げたり、『くるくる回って面白いね』と楽しそうに話し出したりする。そういう瞬間を大切にしたいと思っています」。こう話すのは、理科の大越佳子教諭。「少しでも多くの感動を体験してもらいたい」と考え、特に中1では、屋外での活動を重視したプログラムを組んでいるのだ。中2では、中1で得た体験的学びをベースにした実験や顕微鏡を用いたより詳細な観察が中心に。さらに中3になると、ヒトや動物など生き物を学ぶ学習へとシフト。身体や心の成長に合わせて段階的に学びを深めていき、中3の3学期に集大成として、「ニワトリの解剖」に挑戦する。

実物に触れる体験と段階的な学習のほかに、もうひとつ見逃せないのが、文章作成力を重視した教育だ。先生お手製のプリントやレポートで、毎授業必ず、見たものや気づいたことを言語化させている。また、正確な観察眼を養うためにスケッチも重視する。これらの積み重ねによって優れた観察力が鍛えられ、より深い科学的思考が生み出されるのだ。

高校でも引き続き、実験や観察に力を入れた教育が行われる。中高6年を通して徹底的に繰り返される、体験・観察・言語化の営み。これによって、暮らしや人生を豊かにする、根源的な理科的思考や知識を花開かせる。

生涯にわたり役立つ、真の知性を養う

実物に触れる体験や言語化は、理科だけでなく全教科で実践されている。社会科では、調べたことをレポートにまとめ、美術では描いたスケッチや作品の下に考察を必ず記載。プレゼンやスピーチの機会も多く、日常的に、書く・話すことを繰り返しているという。また、作成したレポートやスケッチなどを全員分壁に貼り出すことで、「他人の視点や考えに触れる」「自分の得意なことをアピールする」環境をつくっている点も見逃せない。「こうした取り組みを通して、情報の整理や思考の深化が進み、深い思索力が養われるのです」と峯岸教諭。入学直後はあまり文章を書くことや話すことが得意でなかった生徒も、卒業する頃には、みな素晴らしい作文を書き、堂々と意見を述べられるほどに成長するという。

「幅広い思考力を養う」「短期的な学力ではなく、真の学力を育む」を大切にしているため、6年間、文理分けは行わない。“森の中の青空教室”で、のびのびと軽やかに。生涯にわたり軸となる知性を身に付けて、生徒たちは社会へ羽ばたいてゆく。

生徒の作品を展示する廊下の壁はまるでミュージアム

学校データ(SCHOOL DATA)

所在地〒214-8565 神奈川県川崎市多摩区西生田1-1-1
TEL044-952-6705
学校公式サイトhttps://www.jwu.ac.jp/jhsc/
海外進学支援
帰国生入試
アクセス読売ランド前駅(小田急線)徒歩10分
京王稲田堤駅(京王線)よりバス「女子大前」下車
京王よみうりランド駅(京王線)よりバス「女子大前」下車
国内外大学合格実績(過去3年間)北海道、東北、東京外国語、東京学芸、東京農工、東京藝術、お茶の水女子、横浜国立、山形(医)、山梨、東京都立、慶應義塾(医)、早稲田、上智、国際基督教、東京理科、日本医科(医)、北里(医)、杏林(医)、昭和(医)、東邦(医)、東京女子医科(医)、聖マリアンナ医科(医)、埼玉医科(医)など

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