東邦大学付属東邦中学校

勉強も練習も全力投球する水泳部

授業に勝るとも劣らない教育効果。部活動で逞しく成長する子どもたち

【注目ポイント】

  • 学校生活のすべてを学びの場とし、生徒と教員がともに学ぼうとする校風。
  • 時代の空気を感じる歴史的意義のある作品も生み出した地形模型部。
  • 基礎の反復と時間を含めた自己管理が人間教育に繋がる水泳部。

部活も重視する中高6年間は「自分探しの旅」

司馬遼太郎『坂の上の雲』の主人公・秋山好古ゆかりの習志野騎兵連隊司令部跡地にキャンパスが広がる東邦大学付属東邦中学校。中高6年間の学校生活は「自分探しの旅」、学業だけでなく課外活動も重要な学びの場とする校風を体現している部活動のうち、代表して2つの部を紹介したい。

まずは「生徒の個性と向き合いながら、ひとつひとつの活動を積み重ねていくことで6年間通ってよかったと共感してもらえる学校が東邦大東邦です」と述べる地形模型部顧問の飯島崇教諭からお話しを伺った。

熱血教員が生み出したユニークな地形模型部

男女合わせて約20名の部員が所属する地形模型部。精密な地図の等高線に沿って切り出したボール紙を慎重に積み重ね、地形の模型(ジオラマ)を制作するという部活は全国でも珍しい。他校との競い合いがない分野なので、自分たちで目標を定めてそれを超えていくことになる。1年生はまず小さな島の制作を通じて「等高線をなぞる」「彫り抜く」「貼り重ねる」という基本技術を習得したうえで、文化祭に出す作品の比較的簡単な部分を担当し達成感を得る。経験を積んだ2年生は難しい部分を任され、3年生になると最も高難度の地形を担当する。

活動を通じて育つ非認知能力は大きく分けて2つある、と顧問を務める国語科の飯島崇教諭はいう。「1つめは丁寧さと注意力。等高線を正確になぞる作業は、手を抜くと作品に正直に現れるのでごまかしが利きません。2つめは計画性と粘り強さ。長丁場となる工程を俯瞰し、完成までの道筋を設定し、完遂する力が養われます。受験など長期的な目標の達成にも通じるところがありますね」

加えて無視できないのが、「居場所」としての機能だと飯島教諭は続ける。「例えばコミュニケーションが苦手な生徒でも、黙々と作業に打ち込むことで作品を通じて互いを認め合う。校内での“居場所”を見つけるきっかけとなっており、実際生徒からそのような声を聞いています」

また第一号作品『黒部峡谷』以来、文化祭で注目を浴びている作品実績には時代の空気を映すものが多く、なかでも印象的なのは、北方領土返還交渉が盛り上がっていた頃の『国後島(縮尺:1/50000)』や、これを超える作品をという思いで取り組まれた同縮尺の『択捉島』だ。後者はまさかの“5年”がかりのプロジェクトとなり、始めた先輩たちの思いを継いだ後輩たちが完成させた。緻密な地形を長さ4m、幅1mで再現した逸品は、巨大さ故に展示場所を選ぶことを生徒らは学び、完成後の維持や保管までを見通す計画性を身につけるきっかけともなった。

地理の授業の教材として、1人の地理教員の高い熱量から始まったこの活動は、歴代部員たちが日々挑み続けた等高線とともに50年の歴史を積み重ねている。地形を立体に起こすことで土地への理解が深まり地理が好きになる。「大学はおろかその先の仕事選びにまで繋がっている生徒が何年かに1人います。社会の中に“居場所”を見つける確かな力になっているのです」と飯島崇教諭は目を細める。

制作当時の部員たちの思いが偲ばれる地形模型部の『択捉島』

社会で生き抜く力をも育む水泳部

1976年に創部し、50周年を迎える水泳部。中高合わせて約70名の部員には中学から始める初心者も多くいながら、高校は毎年関東大会へ、中学も2~3年に一度は全国大会へ出場する実力を備える。部員の力を引き出すのは、恵まれた室内温水プールはもちろん、山口武史教諭をはじめとする顧問の熱意だ。山口教諭自身は水泳未経験。そのため顧問就任当時は本業の数学教員をこなしながら水泳の技術と知識を身につける猛特訓を重ね、スポーツ経験の少ない部員を引っ張ってきた。体格では欧米人にかなわない日本人がコンマ1秒でも早く泳ぐために、無駄のないフォームを目指す「ドリル練習」を重視し、日常練習では生徒の現状に合わせた目標を1人ずつ設定。「基礎をおろそかにせず、学校でできることを精一杯やり続けて上位大会を目指そう、ということを徹底しています」と語る。限られた時間内で何ができるのかを突き詰め、環境のせいにせず成果を挙げるという成功体験は、部員たちの受験への取り組みにもよい影響を及ぼしているといえよう。

部活と勉強それぞれに割ける時間は年間にどれだけあるか、1日使える日は?部活が終わったあとは何時間?そういった雛形を渡し、生徒たちが自ら生活を律するよう指導する。タイムの競技ではあるものの、一番重要なのは中高6年間で自分がどのように成長するかだよと言い聞かせ、今後社会で直面するであろう困難への耐性を養うのも自分の役割と山口教諭は、これまでの経験から「時間を上手く使う生徒は運動も学業も伸びます」と言う。部活を通じた人間教育が水泳部の根底に流れる揺るぎない哲学であることを感じさせてくれた。

「変化する社会の中でも伝統的で興味深いものがわが校にはまだまだ埋まっています」と語る岡田美秀広報部長は、コツコツと自分のできることを拡げていく取り組みこそが重要だと語る。授業、部活、学校行事それぞれに多様な学びを意識させられる、それが東邦の魅力なのだ。

学校データ(SCHOOL DATA)

所在地〒275-8511千葉県習志野市泉町2-1-37
TEL047-472-8191
学校公式サイトhttps://www.tohojh.toho-u.ac.jp/
海外進学支援
帰国生入試
アクセス津田沼駅(JR総武線)よりバス15分
京成大久保駅(京成本線)徒歩10分
国内外大学合格実績(過去3年間)東京、京都、東京科学、一橋、北海道、東北(医)、名古屋、大阪、九州、東京外国語、東京農工、東京海洋、お茶の水女子、筑波、千葉(医)、群馬(医)、旭川医科、秋田(医)、浜松医科、滋賀医科、山口(医)、札幌医科(医)、東京都立、国際教養、防衛医科、慶應義塾、早稲田、上智、東京理科、国際基督教、東邦、自治医科、東京慈恵会医科、日本医科、順天堂(医)、カリフォルニア(バークレー)、トロント、ブリティッシュコロンビア、セント・アンドリューズ、ダラム、ロンドン、リーズ、メルボルンなど

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