麻布中学校

“びっくり箱”の連続で磨かれる人間力。“最終学歴は麻布”という誇りの教育
【注目ポイント】
- 創立者の理念を具現化した国際交流からの学び。
- 国際交流がもたらす生徒の自主性と協調性。
- 一時的な交流に終わらない継続的で良好な関係。
江原素六の原点に繋がる国際交流
2025年に創立130周年を迎えた麻布学園。「青年即未来(青年こそが未来の扉を開く担い手であり、未来そのものである)」と唱えた創立者・江原素六は、早くから国際的な視野を持って活動していた人物で、未来の担い手である青年たちの可能性を信じて教育にあたった。そして今、「平和で安全な社会を築くことはこの世界で暮らす多種多様な文化を背景にした多くの人々の生活を認識することから始まる」と平秀明校長は国際交流の実践的意義を語る。
その意義を具現化しているのが、同校の国際交流プログラムだ。
ホームステイや学生寮に滞在する交流先として中国・河南省実験中学校、韓国・養正高校、イタリア・ジョットウリーヴィ高校、カナダ・ショーニガンレイクスクールという非英語圏を主力とする交流校のラインナップには確固たる信念があった。国際交流委員会の村本ひろみ教諭は「学ぶべきは語学よりも訪問先の文化や自分の価値観の発見や気づきを得ること」と語る。英語圏に偏らず、真のグローバリズムを大切にした学びの機会を創りたい。それは排外主義を戒め、未来の担い手を育むという創立者の思いに通じるのだ。

びっくり箱のような驚きと学びの連続
海外交流における体験の中には、現地で直面するハプニングへの対応も含まれている。イタリアでは鉄道ストライキに遭い、代替のバスは大幅に遅延、帰国便に乗り継ぐための国内線は強風で飛ばず、バスで4時間かけて移動するもイスタンブール経由の遠回りな便に変更されるなどのトラブルに見舞われた。「普段の生活と異なりすんなりとはいかない海外での体験が、突発的なトラブルにも慌てず冷静に対処することを学ぶきっかけになれば」と中山雅之教諭はいう。
また中国や韓国の場合、歴史問題や反日感情が話題に上るが、実際に交流した生徒たちはこの問題が単純ではないことに気づく。河南省実験中学校の中日班(日本語科)には日本文化が大好きという生徒が集まり、韓国の養正高校の交流クラスの生徒は、温かい思いやりをもって接してくれる。一方で、「反日」が現実のものとして存在することも感じる。しかしそれは日本も同じ。中国や韓国と地道な交流を続ける人もいれば、それを受け付けないという人もいる。ただ「好き」「嫌い」だけではない未来、ということを生徒たちは感じながらそれを昇華させていく。
交流をきっかけに続く友情と参加者の変化
相反する感情を整理できた相手とはより深い友情が育まれている。養正高校との交流で親睦を深めた生徒たちは卒業してからもずっと友達でいるケースも多い。また、日本にいる養正のOBたちは、麻布の現役生の交流活動の手伝いに駆けつけてくれるという。
中国を交流先に選ぶ生徒はやや内気なタイプが多いが、鄭州の生徒たちはよそ行きの顔ではなく、普段どおりの素のままで麻布の生徒を迎え入れてくれる。それが、引っ込み思案から積極的な人生観へと変わるきっかけになり、中には「世界観が変わった」と一念発起し、外務省に入って北京の大使館勤めとなり、日中友好を志すOBもいる。
生徒たちの多くは、それぞれの体験から語学の重要性を痛感して帰国する。また、帰国子女の生徒が「自分には海外生活の経験があると思い上がっていたことに気づいた。もっと広く学ばなければ」と告白する例もある。さらに、出たとこ勝負はまったく通用せず、準備不足は海外体験も交流体験も台なしにしかねないと悟る生徒も多い。いずれも自らの気づきがその後の学習に取り組む動機を高めていると言えよう。
入学時には強い個性でぶつかり合っていた生徒たちが、お互い様の精神で支え合うようになっていく。「それこそ国際交流では、一緒に勉強をし、一緒に旅をし、同じご飯を食べる――それが仲間意識を育み、お互いの距離感を学ぶことに繋がっています。自立しながらもお互いを尊重する、そういう人物として社会に送り出したい」と話す村本教諭から、卒業生が“最終学歴は麻布”と胸を張って言える理由を感じさせられた。
学校データ(SCHOOL DATA)
| 所在地 | 〒106-0046 東京都港区元麻布2-3-29 |
| TEL | 03-3446-6541 |
| 学校公式サイト | https://www.azabu-jh.ed.jp |
| 海外進学支援 | 有 |
| 帰国生入試 | 無 |
| アクセス | 広尾駅(東京メトロ日比谷線)徒歩10分 麻布十番駅(東京メトロ南北線、都営大江戸線)徒歩15分 目黒駅(JR山手線)・新橋駅(JR山手線)より都営バス(橋86)「愛育クリニック前」下車徒歩1分 |
| 国内外大学合格実績(過去3年間) | 東京(理Ⅲ)、京都、東京科学(医)、一橋、北海道、東北、筑波、東京農工、東京藝術、横浜国立、千葉、慶應義塾、早稲田、トロントなど |
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