未来のために今を変えることを応援! 【山梨学院高等学校通信制課程】

●【注目ポイント】
①細やかな目配りと対応で、一人ひとりの生徒に寄り添う。
②教員が常駐する自習室を、山梨学院大学の構内に設置。
③全日制特進コースのソースをフル活用し、難関大学受験もサポート。
学校外に“やりたいこと”を持つ子どもたち
山梨学院高等学校は2022年、通信制課程を開設した。近年、通信制高校の存在意義や可能性が注目されているが、吉田正校長は、その背景について「社会活動やプログラミング、スポーツ、芸術・芸能関係など、学校以外の場に“やりたいこと”があり、それを生活の中心にしていきたいという子どもたちが一定数いる。その結果、通信制が注目されているのです」と語る。「スポーツなど得意分野に特化した教育で成功している国がありますが、AIも同じ。海外提携校の徹底したAI教育を見ると、日本は周回遅れだと危機感を禁じ得ません」。全分野をバランス良く伸ばす教育は優れているが、スペシャリスト育成には不向き。今の日本にはスペシャリストを育てていくシステムが不十分だが、その突破口になるのが通信制ではないだろうか。
厳しさと面倒見の良さで生徒をサポート
何らかの事情で学校へ行けなくなった子どもに学びの場を提供するという面も重要だ。同校では、入学時の面接で本人の卒業への意思を確認することを重視し、「卒業したい」とはっきり伝えることができた生徒を「誰一人取りこぼさない」という強い信念のもと細やかなサポートで卒業へと導いている。
山梨学院大学の一角にあるキャンパス。教職員が常駐するWi-Fi完備のフリースペースに加え個室も用意されている。「登校は自由なのでメンバーの固定はありませんが、その時居合わせた生徒同士、他愛のない会話をしたりして交流を楽しむ様子が見られます」と後藤優子教頭。「一人ひとり事情は違いますが、不登校を経験した生徒は教員を敵だと思っているケースもあります。彼らの複雑な心境を理解した上で、適度な距離感で関わることを意識しています」。登校した生徒が何をしていても受け入れ、声を掛けられた時には真摯に向き合う。そうした関係を続けていると、次第に生徒は「この学校の先生は付き合ってくれる」「ここを居場所としていいんだ」と思うようになり、信頼関係が生まれていく。
また、生徒や保護者とはLINEでつながっており、定期的にレポートの提出状況を確認し、提出が滞る生徒には提出を促し保護者にもその旨を伝えて、確実に卒業へと導いていく。生徒が殻に閉じこもっているような状態であれば、保護者と連携を取りながら外へと意識を向かわせるよう仕向けていく。
一方、授業はオンデマンドで自宅や遠征先などでの受講も可能だが、夏と冬にはスクーリングを行い、理科の実験や調理実習、体育実技などを実施するとともに、遠足などの特別活動を組み合わせて、「行って良かった」「楽しかった」と思わせる工夫もしている。
学校はまさに希望を与える場所、未来を変える方法を教えるのが教員の役目。卒業後も幸せに豊かに暮らしていけるよう、社会の厳しさを教えたり、コミュニケーション力や社交性を身につけさせたりすることも重要な役割といえるだろう。

難関大学受験も可能にする進学サポート
進学校ならではの大学進学サポートも、同校の特徴だ。系列校である山梨学院大学・山梨学院短期大学への進学に加え、希望者は、全日制特進コースの生徒が利用する大手予備校の映像授業(有料)や、模擬試験、経験豊富な進路指導主任の進路指導が受けられる。すでにMARCHクラスの合格者も出ており、難関国立大学を志望する生徒もいる。
山梨学院大学の先生方からは「通信制課程の卒業生が、毎回授業に出席し、グループワークなどでも学生の輪の中心にいる」という声が聞かれるという。時折キャンパスで生き生きとした卒業生たちの姿を見かけると、輝ける場所を見つけてよかったね、と心から喜びを感じる。 「今」を変えることで、過去も未来も変えることができる。新しい学びの道を切り開く生徒たちは、自分が輝ける方法を見つけ、それぞれの場所で自分の力で歩み始める。その先には幸せな未来が待っているはずだ。
(文/荻原美穂)
●学校データ(SCHOOL DATA)
| 所在地 | 〒400-8575 山梨県甲府市酒折2-4-5 66号館(山梨学院大学キャンパス内) |
| TEL | 055-224-1414 |
| 学校公式サイト | https://www.yghs.ed.jp/yghs_dl |
| 海外進学支援 | 有 |
| 帰国生入試 | 無 |
| アクセス | 酒折駅(JR中央線)徒歩3分 善光寺駅(JR身延線)徒歩12分 |
| 国内外大学合格実績(過去5年間) | 立教、駒澤、龍谷、東京工科、山梨学院、山梨学院短期、その他大学、専門学校など |
●【関連情報】

