城北中学校

ICT 教育の拠点 iRoom

「やってみたい」気持ちを応援する校風 ICTが生徒の挑戦を際限なく可能に

注目ポイント

  • 好奇心や思考力を刺激し、生徒が持つクリエイティビティを重視
  • 中学の総合学習「情報」でICT教育の基礎から応用まで学ぶ
  • 自由度の高い授業で、メンターとして生徒に寄り添う教員たち

アメリカ・MIT Lab訪問から理想の教育の姿を追求する

「人間形成と大学進学」を教育目標に掲げる城北中学校。同校では未来を生き抜くための教育は知識だけでなく、好奇心や思考力を刺激し、「自ら考え」「生み出し」「発信する力」を養うことが大切だと考える。

同校が注力するICT教育でも、技術・技能はあくまでも学びを実現するための基盤であり、充実した設備は“理想の教育”を支えるものと位置づけている。これらを実践する端緒となったのはICT委員長だった清水団教頭が2016年に私立学校の視察で訪れたアメリカでのMIT Labのミッチェル・レズニック教授との出会いだった。当時、清水教頭は学びを進める際、最優先すべきは、基礎の鍛錬か、生徒のやりたいことや好奇心か、に苦慮していた。「教授は、これからはクリエイティブな考えと行動が欠かせないと説くとともに〈4つのP〉としてProjects(プロジェクト)、Passion(情熱)、Peers(仲間)、Play(遊び)を教えてくれました。仲間と共に情熱や遊び心を持って課題解決に挑戦することが、生徒の飛躍へとつながるということです」。まさに理想の教育の姿を指し示すこの言葉に力を得て、生徒が持つクリエイティビティを最重要視し、4つのPを取り入れた学びのサポート役としてICTを駆使する。これが同校ICT教育の根幹となっていった。

無限の可能性を拡げるICT教育と創造性を発揮する生徒たち

ICTを〈ワクワクするためのツール〉と捉える同校のICT教育の象徴ともいえるのがiRoom。iPad ProやMacBook Air各50台をはじめ、壁三面のホワイトボード、複数の大型モニターやプロジェクター、人数に合わせて組み合わせ自由な勾玉型可動式テーブル、小型のホワイトボードなどを備える教室だ。ここでICTの基礎から応用までを中1~中3の総合学習の「情報」の授業で学んでいく。内容は、動画や音楽制作に取り組む「クリエイティブ」を中心に「リテラシー」「プログラミング」「プレゼンテーション」「PBL(問題解決型学習)」の5つがあり、その集大成として中3で「卒業研究・卒業制作」を行う。3学期にクラス内でのプレゼン発表で代表者を選出し、修了式ではICTをフル活用した発表会に臨む。研究テーマに縛りはなく、生徒の「やってみたい」情熱を最優先。昨年度は陸上部の生徒が実演を交え、物理エネルギーなどにも言及した走り方の研究「ストライドを伸ばしたい!」のほか、「リスニングを学ぶ」「世界の親衛隊とその興亡」「日本のHipHop文化について」など自由に、生徒一人ひとりが個性を生かした研究をクリエイトした。

生徒のメンターとして寄り添い、自由な学びの場・理想の授業を展開

同校の大きな特長の一つが、教員が生徒の興味や自主性を引き出し応援するメンターとして共に歩む姿勢を重視する点だ。「数学では必ず生徒と一緒に問題を解く」という清水教頭はICTを活用し、その過程をiPadの画面を通して生徒全員と同時共有。また教科書から派生した“気になる”ことも積極的に取り組む。例えば「〇色を使い、立方体の隣り合う辺を違う色にした場合、何パターンできるか」という問題から、「違う色にしなければ? 色数を限定しなければ?」という疑問を教頭自ら提起し取り組んだ。膨大な計算に必要なプログラムコードから、解を導き出す過程、結論までの全てをSNSに投稿し開示する。このような自由度の高い学びの場は、各教科担当教員が工夫を凝らし提供しているという。

「〈教える・教えられる〉ではなく、互いに一人の人間として一緒に考えていきたい」と理想の授業への思いを語る清水教頭。このように教員がPeers(仲間)として学び続ける姿、疑問を解決する姿、何より楽しみながら学ぶ姿は“学びの本質”を生徒が体感する絶好の機会となる。そしてそれらは、生徒の大きな財産となり、自らの未来を切り拓き、生き抜く礎になるに違いない。(文/松岡理恵)

受験生にも人気の広い人工芝のグラウンド

学校データ(SCHOOL DATA)

所在地〒174-8711 東京都板橋区東新町2-28-1
TEL03-3956-3157
学校公式サイトhttp://www.johoku.ac.jp/
海外進学支援
帰国生入試
アクセス上板橋駅(東武東上線)より徒歩10分
小竹向原駅(東京メトロ有楽町線・副都心線、西武有楽町線)より徒歩20分または自転車6分
国内外大学合格実績(過去3年間)東京、京都、東京工業、一橋、北海道、東北(医)、名古屋、大阪、九州、神戸、東京医科歯科、電気通信、東京農工、東京外国語、東京学芸、筑波(医)、横浜国立、防衛医科、慶應義塾、早稲田、上智、東京理科、アリゾナ州立、フロリダ工科、インディアナ州立、西ミシガンなど

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