東京女学館中学校

高3生作品:海洋プラスチックゴミ問題をテーマにペットボトルキャップで作った「溶けない海の花」

独創的な発想で既成概念を打ち破れ! 芸術系3科目融合授業の驚きのパワー

【注目ポイント】

  • 技術の習得から芸術の本質の理解と獲得へと学びの軸をシフト。
  • 現代社会のテーマを盛り込みながら思考力と発想力を磨く。
  • 現代社会のテーマを盛り込みながら思考力と発想力を磨く。

3科目横断型アートカリキュラムが誕生

現代社会のあらゆる場面でアート思考が注目される今、東京女学館では2023年度より「芸術A・B」をスタートさせた。音楽、美術、書道の3科目の要素を有機的に連携させた同校の独自カリキュラムで、高2・3の選択科目となっている。芸術Aはテーマに沿って音楽、美術、書道を入口に科目に捉われない創作活動に取り組む。各分野を教科担当の教員が1人で担当するのではなく、3人の教員がすべての授業に参加して様々な角度からアドバイスを行う。生徒は広い範囲からアートの本質を俯瞰し、柔軟な視点や発想力が育まれていく。高3芸術Bでは、社会問題をテーマにした作品を制作する。

課題「本当の私を探す」の高2生作品

伝統の枠を越えて広がる音楽の世界

高2「芸術A」では、既成概念を取り払い、自分の思いや感覚を肯定すること、他者の価値観を受け入れることを目指す。1学期の音楽では「共生」をテーマにし、「曲と楽譜を作る」という課題を掲げた。作曲は楽器を使って奏でるもの、楽譜は五線譜に音符や記号が書かれたものを思い浮かべるが、「授業の導入では先入観を解きほぐすことから始めます」と、音楽科の安西由里子教諭。生徒たちが出合うのは、既成概念を覆した近現代の音楽作品。ほかにもグラフィック・スコアと呼ばれる抽象的な図形や絵で構成された楽譜にも触れ、生徒は感覚を拡張させていく。さらにはブレインストーミングやマインドマップで「共生」を咀嚼し、曲や楽譜でいかに表現するかを検討。人種・文化、テクノロジーと人間など、自分の興味関心を起点に作品のコンセプトへと落とし込んでいく。作曲には音楽制作アプリを活用。校内の雑音や街の雑踏、楽器を奏でた音など、自分のイメージに合う音を録音し、採取した音源をアプリ上で何層にも重ねて1分間の作品を作り上げる。完成した楽譜も実にユニークだ。中には粘土などの素材を使って立体物に仕上げられた楽譜もある。安西教諭は語る。「昔も今も芸術作品はその時々の社会情勢や課題と密接にかかわりながら表出してきた。『共生』のテーマのもと、生徒は今という時代を見つめ、自分なりの表現を行ったことで、そのことを感じられたのではないかと思っています」

課題「本当の私を探す」の高2生作品

既存の価値観を揺さぶる美術と書道

1学期はアート思考の世界を生徒に体感させ、2学期はそれをベースに自分の世界観やアイデアをカタチにして発信していく。音楽に続いて美術では、コスチュームを制作して自分自身を変身させ、その姿から他者に自分の価値観を発信するという課題を設定した。10代は他者からの見られ方が気になる時期だが、世の中の美の価値観に取り込まれていないか、本当に自分が大切にしているものや良いと感じるものは何かといった問いを投げかけながら、自分のアイデンティティを表現できるコスチュームを考えていく。美術科の川井賀世教諭は「今の10代は自己肯定感が低いわけでなく、横並びでいたい、目立ちたくないという感覚が強い。でも、こうした機会があれば、アイデンティティを大いに発揮してくれる。自分の内を開いていくことで他者とどのようなコミュニケーションが生まれるかを体験してもらえたら」と語る。

3学期の書道では、筆と墨で紙に文字を書く行為を拡大して捉え、暗所でペンライトを動かし、その軌跡を撮影するライトドローイング作品※を制作。元は写真分野で発達した技法であり、書道の筆の運びを光の軌跡で描き出す、いわば「光の書道」だ。「書道には臨書して線の質を学ぶという伝統的な側面があります。その“型”を知っていれば、そこからいったん離れて自分の表現に踏み出すこともできる。その自由な往復こそが芸術の面白さ」と、書道科の吉田修教諭は語る。

教育現場でも未知の問題を解決する力や他者を認める心の育成が必要とされ、これは芸術系科目でこそ養われていく。同校のこうした学びは、生徒の感性を磨くだけでなく、あらゆる事象への捉え方を進化させていく。

学校データ(SCHOOL DATA)

所在地〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-7-16
TEL03-3400-0867
学校公式サイトhttps://tjk.jp/mh
海外進学支援
帰国生入試
アクセス渋谷駅(JR・東京メトロ・東急・京王線)、恵比寿駅(JR・東京メトロ)からバス「東京女学館前」下車
広尾駅(東京メトロ)徒歩12分
国内外大学合格実績
(過去3年間)
東京、一橋、東京科学、東北、東京外国語、東京学芸、筑波、横浜国立、国際教養、東京都立、横浜市立、慶應義塾、早稲田、上智、東京理科、東京医科、北里(医)、昭和医科、日本(医)、東邦(医)、杏林(医)、聖マリアンナ医科、東京女子医科、グリネル、トロント、ブリティッシュコロンビア、シドニー、メルボルン、エラスムス、ライデン、モナシュ(マレーシア校)など

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