女子学院中学校
キリスト教がベースの自由な校風 神の導きにより人生の「道が開く」
注目ポイント
- 「聖書」や「礼拝」を通じて真理を求める教育
- 「自由闊達な話し合い」を起点に、学ぶ意義と楽しさを実感
- 実社会で活動するさまざまな人との関わりから世界を学ぶ
各分野で活躍する人たちから社会・世界を学ぶ
創立以来、キリスト教精神を基盤とした全人教育を受け継ぐ女子学院。個を尊重するリベラルな校風で、生徒が自ら考え、自ら学ぶことに軸を置く。同校の生徒は、基礎学力の充実を目指すと同時に「どう生きるか」という問いと真摯に向き合う機会に恵まれる。その1つは、定期的に開かれる講演会だ。講演会には、学者、作家、社会貢献活動に携わる卒業生など、各界の第一線で活躍するゲストが招かれる。文系・理系の枠にとらわれずに幅広い世界を垣間見ることで生徒たちの興味の幅がおのずと広がっていく。
講演会は生徒会がゲストの選定にも携わる。例年、予め設けられた質疑応答の時間では足らず、講演終了後に個別の質疑応答を望む生徒の列ができるというのは、アクティブな同校らしさを表すエピソードだ。
平和教育に力を入れる同校では、高1で広島を訪れる機会も持つ。事前学習や被爆者から直接話を聞くことを通じ、想像力を駆使して当時の空気を追体験する。過去・現代・未来のつながりを実感しながら、戦争を多面的に考察し「未知のできごとが起こったときに、自分ならどうするか」という重厚な問いに挑むことにつながっていく。
深い議論を通じて「生き方の軸」を見いだす
このような生徒たちが主体的に学ぶ姿勢は、学校行事や日常授業の議論を通じて育まれる。中でも同校らしさを象徴するのが『ごてんば教室』と高3の『修養会』だ。
『ごてんば教室』は、同校の“入口”とも呼ばれる2泊3日の宿泊行事。生徒たちは、テーマのもとに講演を聞き、グループディスカッションを行う。相手を“論破”するのではなく、誰もが参加できるように、場を共にする一人ひとりが互いの発言の価値を見いだしていく初めての体験をする。
同じく2泊3日の『高3修養会』は6年間の集大成とも呼べる行事だ。これからどう歩んでいくのか、また事前テーマを設定し、紛争や貧困、難民など地球規模の問題から身近な悩みまで幅広く扱い、話し合う。
このような自由闊達な意見交換のベースとなっているのが同校に脈々と受け継がれたキリスト教精神だ。毎日の「礼拝」や「聖書」の授業は、自己を確立させるための大切なひとときとなっている。一人ひとりが大切な存在であるという「個の尊重」と個々が違った存在であることを認める「他者の理解」。一見、相反する価値観が教育の両輪となり、生徒たちを活気づける。「入学前には発言をすることが苦手だった生徒も、自分の意見が必ず受け入れられるという経験を重ね、臆せず自分の意見を発言するようになります」と鵜﨑院長は語る。
6年間、あらゆる問題に対して「当事者」の視点を持って充実した議論を繰り返した生徒たちは確固たるアイデンティティを形成していく。
自分で道を開くのではなく、神の導きでおのずと「道が開く」
女子学院はさまざまな分野で日本初のパイオニアを数多く輩出している。先駆けとなるには、目前の障壁を取り除くべく、険しい道を切り開くようなイメージを伴うかもしれない。しかし、女子学院が教育を通じて提示する概念は少々異なる。折しも創立150周年のパネルディスカッションのテーマは「その道が開く」だ。それについて鵜﨑院長はこう語る。「本校では、一人ひとりに与えられた『賜物』が役立つ道は、おのずと開かれるものだと考えています。もちろん、早い段階から1つのゴールを決めて直進する方法もあるでしょう。しかし、よくも悪くも最短距離で進むことで、大切なことを見落としてしまうことがあるかもしれません。女子学院での6年間は、多少遠回りに感じたとしても今しかできないことを学び、意図していなかった場所に道が開かれた時のために、できる限りの備えをする時間だと捉えています」
知識習得だけでなく、生き方について深く考える時間に恵まれた女子学院生の「賜物」は、卒業後にこそ真価を発揮する。
学校データ(SCHOOL DATA)
所在地 | 〒102-0082 東京都千代田区一番町22-10 |
TEL | 03-3263-1711 |
学校公式サイト | http://www.joshigakuin.ed.jp/ |
海外進学支援 | 有 |
帰国生入試 | 無 |
アクセス | 麹町駅(東京メトロ有楽町線)徒歩3分 半蔵門駅(東京メトロ半蔵門線)徒歩6分 市ヶ谷駅(JR中央線、都営新宿線、東京メトロ南北線)徒歩8分 四ッ谷駅(JR中央線、東京メトロ南北線・丸ノ内線)徒歩13分 |
国内外大学合格実績(過去3年間) | 東京、京都、東京工業、一橋、北海道、東北、大阪、東京医科歯科、東京海洋、東京農工、電気通信、 東京外国語、東京藝術、お茶の水女子、 筑波、防衛医科、慶應義塾、早稲田、日本医科、ペンシルベニア、スミスなど |