外務省の「JPO派遣制度」で国際機関の職員になろう!
持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、国連をはじめとする国際機関は重要な役割を果たしています。国際機関で職員として働くためにはどうすれば良いのか。
国際機関では幅広い職域の人材が求められている
国際機関と聞いて先ず思い浮かぶのは、おそらく国連(UN)や国連児童基金(UNICEF)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連開発計画(UNDP)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、世界保健機関(WHO)、国連環境計画(UNEP)などで、国際機関での仕事と言えば、平和構築、難民支援、開発援助、教育、保健、環境などの分野に限られていると思われがちではなかろうか。実際には、国際社会には国連をはじめとする国際機関が100以上あって、幅広い分野で活動している。また、それぞれの国際機関の内部でも役割分担があって、最前線で活動する職員をサポートするバックオフィス部門がある。
そうした中、国際機関で働く職員についても、先にあげた平和構築などの分野に加えて、ほんの一例として挙げるだけでも、財務、法務、調達、ICT、ロジスティックス、人事、広報、モニタリング評価(M&E)、監査などのバックオフィス業務においても、実に幅広い分野の人材が求められている。環境学、気象学農学、薬学、建築学等、理系出身の方の活躍できる場も多くある。
子どもたちは、将来自分がどのような職業に就きたいかについて、悩み考えながら、それぞれの答えを見つけていくのだろうが、それぞれが発揮したいと思う能力が活かせる職場が実は国際機関の中にもあるかも知れない。ぜひそのことを知ってもらえればと思う。
国際機関で職員として働くためには
国際機関の採用方法は、日本のように毎年4月に新卒一括採用を行うことはなく、基本的には即戦力となる人材を中途採用する方法だ。1つのポストに空席が生じる度に、公募されるのが一般的である。空席情報には、どのような学歴や経歴、能力、実績などを持つ人材を求めているかが具体的に書いてある。そうした公募ポストに対し、我こそはと思う人達が世界中から応募してくるので、通常100倍以上の競争となる。英語のネイティブスピーカーたちと競い合う必要があることから、英語を母国語としない日本人にはとてもハードルが高く感じると思う。そうした中、ぜひお勧めしたいのが「ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)派遣制度だ。外務省が実施するJPO派遣制度では、将来的に国際機関の正規職員となることを志望する若手日本人を原則2年間国際機関に派遣してきている。JPOとしての勤務を通じ、国際機関の正規職員として勤務していくための知識と経験を積む機会を提供することが目的だ。この制度は1974年に始まり、これまでに累計1800名以上を派遣。現在国連関係機関で働く約918名の日本人職員(専門職以上)のうち、446名(約5割)がJPO経験者だ(2020年末時点)。JPOとして派遣されるためには、外務省が実施する選考試験に合格する必要があるが、この試験は日本人だけが受験できるもので、倍率は近年5~6倍程度で推移している。詳しい応募要件などについては、国際機関人事センターのホームページに掲載してあるのでぜひご覧になってほしい。
中学生から出来ること まずは英語力の強化
国際機関での就職を目指すにあたって必要となるのは英語力だ。
なぜなら、英語でしっかりとコミュニケーションを行って業務を英語で確実に行うことが国際機関で働くための必須条件だからだ。これ以外にも、修士号以上の学歴が求められる場合がほとんどであること、専門分野での職歴を有することなどが挙げられるが、これらは、子どもたちが将来どのような職業に就きたいかを見出していきながら身につけていくものだろうと思う。英語力については、職業観が固まっていくのを待つ必要はなく、早い年齢から身につけていってもらえればと思うし、英語力が高まることで興味関心の幅も広がるのではなかろうか。
お問い合わせ
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